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※この記事の出来事はコロナ以前の出来事です。現在はマスクに関して寛容になってるので、業務の一部では許可が出る可能性がありますが。人の口に入るものを作るという異常、異物混入リスクなど回避するため、私物持ち込みは厳しいままかと思われます。
発達特性とライン作業の相性:危険と工夫【実録】
導入:応募しやすさの裏で、私が見た“境目”
コンビニ系の食品工場は、送迎があって昼食補助もあって、求人もいつも出ている。
ハードルが低いから、「ここから社員を目指せたら」と私も思いました。
見学の日、白い世界に足を踏み入れた瞬間のひんやりした空気、消毒の匂い、金属がこすれる音。清潔で効率的、その一方で“人の体質”にとっては厳しい環境でもあるんだ、とすぐに感じました。まずは、私が退職を決めた理由を、そのまま伝えます。
退職理由、化学物質過敏症への配慮と自衛の許可が0だった。
ーコロナ前のため、防塵防毒マスクや活性炭入りマスクといった私物の持ち込みがNG ー普通のマスクで試してみるもの、塩素系漂白剤に反応して体験切り上げ。
たぶん、多くの人には何でもない“現場の匂い”。でも私には塩素系が針のように刺さりました。
いざという時に使いたかった活性炭入りのマスクは私物認定によりNG。自分の身を守る術がないまま、体は先に限界を知らせてきた。
最初におきたのは「頭痛」「猛烈なめまい」「嘔吐」「下痢」でした。
そこで私は、いったん「活性炭入りマスクなしじゃ無理です」と伝えて。「じゃあダメだね」と辞めることになりました。
本文発達障害と精神疾患で仕事の向き不向きを考える。
1|“きつい”の正体:速さと匂いと、少しの孤独
ベルトは止まらない。速い。慣れるまでは、焦りで手順が飛ぶ。
衛生ルールは当然で、手洗い、粘着ローラー、手袋二重、帽子、マスク。私自身、白一色の空間にいると「清潔=安心」のはずなのに、消毒臭が胸の奥をざわつかせてくる。耳には機械音、肌には冷気。
誰かと雑談してごまかす余地は少ない。でも、工程は固定されています。立ち仕事が苦じゃない人なら、体が覚え始めた瞬間にスッと楽になるタイミングが来る。そこまで辿り着けるかが分かれ目です。
- 見学から最初の30〜60分で、自分の匂い・音・冷えの耐性が大体わかる(化学物質過敏症者は1週間後とか一か月後とか時差でくるのもあるため、一概に言えず)
- 工程はルーチン化。慣れれば呼吸が合う
- ただし自衛策が禁止だと、敏感な人には持久戦が難しい

2|発達特性との相性:光る強みと、絶対に譲れない安全
ルーチンが好きな私には、手順が決まっていることは武器になりました。
指示も短く、評価も数字で見える。やることがハッキリしているのが気持ちよかった。一方で、注意が外に飛びやすい特性は、高速ラインと相性が悪い。
ベルト、カッター、加熱機器、洗浄機——“ちょっとした油断”が事故の芽になる。現場には「昔、指を失った人がいる」「添加物の原液を希釈するときに顔にはねて失明しかける」という重たい噂もありました。
(これは添加物の営業職の方もデモストレーションでやってしまう事があるらしく、日常的に使う我々はそのリスクは跳ね上がります)
私が感じた現実は、「合う人には合う、でも事故は一瞬」。その二つが同時に真実なんです。
- 向き:手順固定/成果指標が明確/対人刺激が少なめ
- リスク:注意散漫×高速、感覚過敏(匂い・音・冷え)、急な配置換え
- 現実的な妥協点:短時間×同じ時間帯で“成功体験”を積む
- 慌てて手元が狂いがちな人

3|夜勤の誘惑と、体内時計の反撃
「どうせ夜は眠れないし、夜勤なら稼げる」——私も頭をよぎりました。
けれど、夜勤は甘くない。これは私の友人で同じ精神疾患を経験した人から「絶対に辞めておけ!」と止められた話です。
今まで眠れなかったくせに仕事となると夜は急に眠気が襲うのに、明けてからはいつも眠れていた朝や昼に眠れない。
そんな現象が起こるのです。彼らも私と同じ「夜眠れなくて朝寝る生活なら、夜の方が時給が高いし夜働いたほうがいいじゃん!」という思いで始めたようです。


なので私は、“得意な時間帯”の固定を勧めます。長時間より短時間。バラバラより一定。太陽の光を毎日ちょっとでも浴びる。それだけで崩壊を防げることがある。
まずやることは、どんなに鬱が酷くても体調が悪くても。起きていられるまとまった時間帯を探すこと。
例、朝は薬んですぐよこになる。夕方からはまとまって起きていられることが多いなど。
これらのデータを基準に小日数で短時間働けるシフトのパートからスタートするのも手です。
- 固定シフト>不規則
- 短時間>長時間
- 日光と食事のタイミングを“目印”に戻す
- もし可能なら曜日も固定!
※これらをもとに受け入れてくれる作業所、もしくは就労支援で立て直しを図るのも手のひとつです。やれることは1つではありません。
4|配慮と自衛:交渉の勝ち筋は“現場を守る提案”
私にとって決定打だったのは、自衛の許可ゼロ。でも、すべての現場がそうとは限りません。
交渉の出発点は「個人の願い」ではなく、“現場全体の安全と衛生を守れる案”です。
例えば、食品加工工場なら「注意多動からくる添加物希釈の失明対策」として工場支給のマスク+フェイスシールドの併用、匂いの弱い工程への配属、短い休憩の刻み増しの相談など。
(これらはオープンが前提になるため、障害をクローズしての入社の場合、相談以前に退職させられる可能性もあります。入社状況により、しっかり考えましょう)
ゴーグルも、工場の規格に合うものであれば道が開けることがある。
産業医や主治医の所見を紙にして「何がOKで、何がNGか」を明確にするほど、相手は動きやすい。
私は最終的に私物持ち込みという「異物混入リスク」のため、責任が取れないとして撤退を選びました。
ただ食品じゃない、例えば工業品や期間工のような工場ならば、「交渉が形になった世界線」もちゃんと存在すると思っています。
- 交渉は“現場をより安全にする提案”として出す
- 工場規格に合う装備の選定を一緒に考える
- 医師意見書でOK/NGを明文化


Xでもちらほら画像がでてますからね……。ないとは言い切れないので、リスクマネジメントとして、可能性を0%に近づけないといけないんですよね。
5|応募前の“ほんの一手間”が未来を救う
求人票だけでは匂いも音も分からない。だから短時間の体験を強く推します。
なんなら、面接のときにお願いして工場や現場を見学させてもらえないかお願いするのも手です。
入室直後と30分後の体調をメモ。耳鳴りは? 目の乾きは? 胃のムカつきは? 自分の体が出しているサインを、数字の代わりに言葉で記録しておくと、判断がブレません。
帰宅したら、すぐ入浴→鼻・喉の洗浄→ストレッチ。その夜は早く寝る。これだけで翌日の“ダメージ残り”が減ります。

- 体験は短時間で。匂い・音・冷えのメモ
- 帰宅ルーティンを固定して回復を早める
- 次の交渉に向けて、効いた配慮/効かなかった配慮を記録
まとめ:働き方は“現場×作戦”。安全が先で、収入はその次
ライン作業は合う人には本当に合う。工程が決まり、評価も明確で、余計な駆け引きがいらない。だけど、注意多動×高速ラインは一瞬で危険に変わるし、匂い・音・冷えはじわじわ体力を削る。
私は「配慮と自衛の許可がゼロ」の現場に当たり、退く選択をしました。
まあマスクの切れ端、もしくは繊維がほどけて混入した場合、「100%起きないと断言できない以上」マスクをごねることはできない。
(防臭性が強いなら、原料や仕入れて入ってきた材料類が痛んでいても臭いで気づけない場合もあるため、どっちにせよこの業界で自分に未来はありませんでした)
近年のX元ツイッターを見てわかるとおり、異物混入は今のご時世致命的なレベルになります。
なので、自分の持病や疾患の性質上、どうやっても職種と病状の致命的な不一致は絶対にあると思って、そういう時は割り切りましょう。
今日からの一歩(短いチェック)
- “得意な時間帯”固定で短時間体験を入れる(自分も友人も夜間の活動から得意と思い入り失敗してます。うつの時、いつが一番楽で起きていられる時間かを分析してみましょう)
- 匂い・音・冷えの体調ログをつける
- 工場規格に合う配慮案+医師意見書で交渉する
- 無理なら撤退。キャリアは長距離走です
迷ったら——安全>収入>習熟。明日も働ける自分を守ることが、いちばんの近道です。
※本記事は私の実体験と見解であり、効果や安全を保証しません。体調や特性には個人差があります。必要に応じて医療・産業保健の専門家へご相談ください。
就労支援の定着サポートや同行支援で説明と理解を求めるのも手

- 就労移行支援の定着するための相談サービスを活用して、企業との間に入ってもらう。
- お住まい地域の相談支援員に相談してみる
就労移行支援を使う場合は、なるべく面接にも同行してもらい。事前に色々とサポートを得ましょう。
以下、就労支援を活用して、定着後の相談や面接同行などで役立てた人達の事例です。
就労移行支援って作業所の延長みたいなものかな?とイマイチピンとこない人はこれらをぜひ参考にしてください。
20代男性、Yさんの事例。就労移行支援活用中

その後、就職してからのサポート内容。
50代女性の活用方法と、就職後のサポート。

その後、就職してからのサポート内容。

これらの男性と女性、年代も疾患も違いますが。
いずれも、就労移行支援で「自己分析シート」やスタッフが記録して添付する「勤怠シートのようなもの」を企業側に出して、苦手や傾向を第三者の添付資料として、効果的に用いることができました。
回り道、生活リズムを整えるところから始めるなら時間がかかりますが、カリキュラム自体は毎日午前午後参加できていれば、だいたい「基本カリキュラムは4カ月で一回り」するらしいです。
もし、今生活リズムに支障がないのなら、初月からフルで入って、障害求人応募時にこれらのシートを出して企業に見てもらえるようにする。というのもアイデアの一つです。
※生活保護は無料ですが、世帯収入で変動するのでお住まいの自治体、もしくはこちらから利用料金を問い合わせてみるといいでしょう。体験・見学・問い合わせなどは完全無料です!

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